大河ドラマ「新選組!」~鉄の掟

武士よりも武士らしくありたいと、真っすぐに歩む近藤勇に対し、陰のある芹沢鴨。池田屋事件より少し前の壬生浪士組(後の新選組)は地位が確立されておらず心もとない存在だったが、腹の座った芹沢が局長として頼もしく感じられた。見ているほうはそれでいいが、素行の悪い彼とその取り巻き達は次から次へと悪事を重ねる。彼らの行動は隊全体に降りかかり壬生浪士組の名を汚す。近藤が京都守護職の松平容保から信頼を得るようになると、土方歳三らは芹沢の始末を具体的に考え始め、「鉄の掟(局中法度)」を考案する。

一.士道ニ背キマジキ事
一.局ヲ脱スルヲ許サズ
一.勝手ニ金策イタスベカラズ
一.勝手ニ訴訟取リ扱ウベカラズ
一.私ノ闘争ヲ許サズ
右条々相背キ候者 切腹申シツクベク候也

新見錦は、芹沢鴨の腹心であったが、二人の間に生じた小さな亀裂を土方歳三は見逃さず、甘い言葉で新見を引き付け罠を仕掛けた。まんまと計略に乗った新見は、法度に背いたとされ切腹をせまられる。目の前で新見の裏切りを見せつけられ、同時に理解者を失った芹沢は、逃げるもせず「次は自分の番か」と冷笑的な表情を見せる。(新選組! 第24回 「避けては通れぬ道」より)

局長である近藤勇は、後から事情を聞かされ「俺はそこまでして京に残りたくない。」と土方に反論するも、「抜けることは許さない。みんな、お前について来ているんだ。この後はお前が浪士組を引っ張っていく」近藤の胸ぐらを掴んで凄む土方。近藤は人を裁くことを好まない性分として描かれており、江戸にいた頃多くの人が近藤を慕い、京までついて来ている。しかし、組織が大きくなると受け入れるばかりでは立ち行かなくなる。厳しい規律のもと裁くことも必要になるのだと土方は説く。

新選組総長の山南敬助が出奔した際も、この法度により切腹させられる。捜索を指示された沖田総司が山南を屯所に連れ戻すのだが、その時の山南は、逃げることができたにも関わらず、そうしない。逃げ延びる気力が無くなったのか、それとも、逃げることが嫌になったのか。「疲れた・・」と笑みを浮かべる。内心は逃がすつもりだった沖田も、こうなっては為す術がない。翌日2人は屯所に戻り、そして、総長であっても、どんな理由があっても、例外なく「掟」は優先され、刑は実行される。(新選組! 第33回 「友の死」)

鉄の掟によって、隊士が命を落とす場面はまだまだ続く。死に値するほどの大罪を犯したとは思えないものもあり、それでも仲間を救うことができない。やりきれない思いの中、「掟」を守るための刑が本当に実行されてしまう。

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