ある日息子が腹痛を起こした。数時間前の刺身があやしい。病院へ行き原因虫を駆除してもらう。術後ドクターから写真をみせてもらい回虫を確認。この寄生虫はアニサキスというもので、イカ、サンマ、サバ、鮭などの生魚に付着することがあるという。
胃カメラで虫を取ってもらい、これでこの話はおしまい。のはずだったが、息子の腹痛は家に帰ってもおさまらない。断続的に襲ってくる痛みに顔をゆがめる。
・・・もしかして、もう一匹胃の中に潜んでいるのではないか?
その病院は午前中で診療を終えていたので医師に相談できず、痛がる息子を横目に悶々としていた。
ところで、アニサキス症・・・この言い方に違和感を覚えた。アニサキスは寄生虫(線虫)の名前だ。なぜ「症」が付くのだろう?飲み込んだ虫が胃をかじってそれが痛む。それだけのことだと思っていたが、調べてみると違うことが分かった。かじられた痛みではなく、虫体に対するアレルギー反応による痛みだとか。
「アニサキス症」とは別に「アニサキスアレルギー」なるものがあるらしい。こちらは魚を食べた後に蕁麻疹や呼吸困難などの重篤な症状がみられ、アニサキスの持つ抗原で引き起こされるとのこと。焼いても(死んだアニサキスでも)生きたアニサキスでもアレルギーが起きてしまうらしい。
なんかやっかいな魚の話になってしまった。しかもややこしい。これというのも、息子があまりに痛がるので色々調べる羽目になったためだ。
息子の腹痛は駆除後5時間が経過した頃からおさまってきた。
・・・もう一匹はいなかったようでホッとした。